将来、家族構成が変わったときに必要な生活費を知ることが、自由で幸せな人生を得るための第一歩。ここでは、将来家族構成が変わったときに生活費がどのくらい変わるかを理解して、生活費変動リスクに備える「資産管理術」を身に着けます。
独身、DINSKS、3人、4人、5人家族...
一生独身と言う選択をしていた私でさえも家族を持つという人生の不思議を体感したのですから、だれでも自分自身の世帯人数が変わる可能性は十分にあります。
世帯人数の増加は、そのまま生活費の上昇を意味しているので、これから資産を構築して、将来経済的な自由を手に入れようとしている我々には非常に重要な話です。
考えて見ると、「世帯人数が増えれば、生活費は上がる」ということを、体感的に誰でも理解さていますが、現実的にそれがいくらぐらいなのか?ということについては、あまり考えたことがないのではないでしょうか?
それは、「世帯人数が増えることが、自分に実際に起こるであろう現実として考え難い」ことや、
日本人のほとんどがそうでしょうが、「今現在、いくらぐらい生活費がかかっている」と教えてくれない家族環境で育つことで、
一生付き合っていかなければならない「お金」について鈍感になってしまっているのではないでしょうか
資本主義経済の中で生きるには、「金勘定」が、重要なことであるにもかかわらずです。
実際に、自分自身に生活費の変動が起こってからでは、貯め時を逃し、
一生貧乏のまま過ごすことになりかねません。
そうならないために、ここでは、家族の人数が増えた時に生活費がどれくらい上昇するかを先読みし、準備するための、経済的備えにつながる情報について紹介していきます。
- 世帯人数別の1ヶ月の平均生活費
- 各費目の支出額
- 住居費を見直した支出額
- 家族が1人増えた時の生活費上昇額
- DINKS(2人)、3人、4人、5人家族の生活費
- お酒、車、仕送り金、住居費を引いた生活費
- まとめ
世帯人数別の1ヶ月の平均生活費
2016年に、総務省統計局が調査した消費支出データを使用して、世帯人数別の1ヶ月の生活費の平均金額を見ていきます。
下表は、『平成28年(2016年)消費支出の費目別対前年実質増減率』という表から必要データを、1カ月の生活費データのみを抽出したものです。
下記は、外食費、酒類代込みの月平均の食費を示しています。
世帯人数 | 月平均の生活費 |
---|---|
単身(世帯人数1人) | 月平均158,911円 |
総世帯(平均2.35人の世帯) | 月平均242,425円 |
2人以上の世帯(平均2.99人の世帯) | 月平均282,188円 |
ここで、「単身」、「総世帯」、「2人以上の世帯」という定義が分かり難いので説明します。「単身」とは、言葉の通り1人世帯の生活費の統計です。
「総世帯」は、すべての世帯の生活費の平均で、2016年度の調査では世帯の平均人数が2.35人となっています。
「2人以上の世帯」は、単身世帯を除外した世帯の生活費の平均で、2016年度の調査では世帯の平均人数が2.99人となっています。
1人、2人、3人と整数の人数なら分かりやすいのですが、統計上このような中途半端な人数となってしまっています。
これでは自分の家族が増えた時に置き換えて考えられないので、後で計算し直すので読み進めてください。
各費目の支出額
単身 (世帯人数1人) |
総世帯 (平均2.35人の世帯) |
2人以上の世帯 (平均2.99人の世帯) |
|
---|---|---|---|
食費 | 26,681 | 47,810 | 57,872 |
酒類 | 1,971 | 2,750 | 3,120 |
外食費 | 11,156 | 11,688 | 11,942 |
住居費 | 20,169 | 17,804 | 16,679 |
光熱水費 | 11,028 | 17,905 | 21,177 |
家具家事用品 | 5,343 | 8,720 | 10,329 |
被服、履物費 | 5,554 | 9,160 | 10,878 |
保険医療費 | 6,720 | 10,899 | 12,888 |
交通費 | 4,532 | 5,043 | 5,286 |
自動車関係費 | 7,693 | 16,469 | 20,648 |
通信費 | 6,416 | 10,957 | 13,120 |
教育費 | 12 | 7,667 | 11,310 |
教養娯楽費 | 19,230 | 25,280 | 28,159 |
こづかい(使途不明) | 63 | 6,215 | 9,144 |
交際費 | 15,292 | 19,092 | 20,903 |
仕送り金 | 2,725 | 4,693 | 5,632 |
諸雑費 | 14,327 | 20,272 | 23,101 |
合計 | 158,911 | 242,425 | 282,188 |
私たちが知りたいのは、1人、2人、3人、4人、5人世帯の、生活費の平均です。
ですが、一旦ここでは、総務省統計局が調査した消費支出データから「単身(1人)」、「総世帯(2.35人)」、「2人以上の世帯(2.99人)」の費目ごとの生活費を示します。
赤く強調している住居費が約2万円以下と異常に安いのは、持ち家の世帯も統計に入っているからです。
データを見るとき、どのような内容のデータかを理解しておかなければ、数字の扱いを間違えてしまいます。
統計局のデータは、網羅的に抽出されていて、世帯の大人、子供の人数割合や、賃貸、購入済みの持ち家なのかなど考慮されていません。
持ち家世帯が入っている統計では、賃貸や、住宅ローン支払い中の世帯の生活費の総額としては参考になりません。
ですから、関東近辺の1K、2DK、3LDKの家賃価格ネットで調査した結果を住居費とした表を次に示します。
住居費を見直した支出額
上表の住居費を、見直した支出額表を示します。
住居は築年数が古かったり、郊外だと安くなりますが、だいたいこのぐらい払えば中間クラスの価格の部屋が賃貸できるという家賃を参考にしました。
関東近辺で都心から少し離れた所に居住されている方は、違和感はないはずです。
世帯人数 | 単身 (世帯人数1人) |
総世帯 (平均2.35人の世帯) |
2人以上の世帯 (平均2.99人の世帯) |
---|---|---|---|
食費 | 26,681 | 47,810 | 57,872 |
酒類 | 1,971 | 2,750 | 3,120 |
外食費 | 11,156 | 11,688 | 11,942 |
住居費 | 60,000 | 70,000 | 85,000 |
光熱水費 | 11,028 | 17,905 | 21,177 |
家具家事用品 | 5,343 | 8,720 | 10,329 |
被服、履物費 | 5,554 | 9,160 | 10,878 |
保険医療費 | 6,720 | 10,899 | 12,888 |
交通費 | 4,532 | 5,043 | 5,286 |
自動車関係費 | 7,693 | 16,469 | 20,648 |
通信費 | 6,416 | 10,957 | 13,120 |
教育費 | 12 | 7,667 | 11,310 |
教養娯楽費 | 19,230 | 25,280 | 28,159 |
こづかい(使途不明) | 63 | 6,215 | 9,144 |
交際費 | 15,292 | 19,092 | 20,903 |
仕送り金 | 2,725 | 4,693 | 5,632 |
諸雑費 | 14,327 | 20,272 | 23,101 |
合計 | 198,743 | 294,620 | 350,509 |
因みに3LDKを想定した2人以上世帯の家賃85,000円は、3,000万円の住宅ローンを35年、金利1.2%程度で借りた場合の月々の返済額と同じぐらいの金額です。
住宅ローン支払い世帯も参考にできるかと思います。
家族が1人増えた時の生活費上昇額
では、ここから話が分かり易くなっていきますが、各世帯人数が中途半端な2.35人、2.99人だと分かり難いので、
家族が1人増えるごとに各費目が金額がどれくらい増加するのかを計算した結果を次に示します。
費目 |
家族が1人増えた時の 各費目の増加額 |
---|---|
食費 | 15,682 |
酒類 | 578 |
外食費 | 395 |
住居費 | - |
光熱水費 | 5,102 |
家具家事用品 | 2,507 |
被服、履物費 | 2,677 |
保険医療費 | 3,101 |
交通費 | 379 |
自動車関係費 | 6,513 |
通信費 | 3,371 |
教育費 | 5,680 |
教養娯楽費 | 4,489 |
こづかい(使途不明) | 4,566 |
交際費 | 2,821 |
仕送り金 | 1,462 |
諸雑費 | 4,411 |
合計 | 63,734 |
家族が1人増えると、食費は1万5,682円増えますが、外食費は395円しか増えていません。
日本の家庭では、家族が増えた時に、外食費は抑えるという傾向が見えます。何処かで節約しないと家計が成り立たなくなりますから分かります。
統計局のデータから計算した結果、家族が1人増えるごとに、月の支出の合計は、6万3,734円増得ることが分かりました。
子供が小さい時はこれほど増えないでしょうが、子供が大きくなってくると食費やその他費用がかかってくるので、これぐらいは増えると考えておかないといけません。
DINKS(2人)、3人、4人、5人家族の生活費
家族が1人増えると各費目がどのくら増えるのかがわかったので、目的の、単身(単身)、DINKS(2人)、3人、4人、5人家族の生活費を見て行きましょう。
家賃は3人以上は85,000円としました。住宅を購入したとしても月の支払いはこのぐらいになる世帯が多いと予想しました。
世帯人数 | 単身 (1人) |
DINKS (2人) |
3人家族 | 4人家族 | 5人家族 |
---|---|---|---|---|---|
食費 | 26,681 | 42,363 | 58,046 | 73,728 | 89,410 |
酒類 | 1,971 | 2,549 | 3,126 | 3,704 | 4,281 |
外食費 | 11,156 | 11,551 | 11,947 | 12,342 | 12,737 |
住居費 | 60,000 | 70,000 | 85,000 | 85,000 | 85,000 |
光熱水費 | 11,028 | 16,130 | 21,232 | 26,335 | 31,437 |
家具家事用品 | 5,343 | 7,850 | 10,357 | 12,864 | 15,371 |
被服、履物費 | 5,554 | 8,231 | 10,908 | 13,585 | 16,262 |
保険医療費 | 6,720 | 9,821 | 12,922 | 16,023 | 19,124 |
交通費 | 4,532 | 4,911 | 5,290 | 5,669 | 6,048 |
自動車関係費 | 7,693 | 14,206 | 20,720 | 27,233 | 33,747 |
通信費 | 6,416 | 9,787 | 13,157 | 16,528 | 19,899 |
教育費 | 12 | 5,692 | 11,372 | 17,052 | 22,732 |
教養娯楽費 | 19,230 | 23,719 | 28,208 | 32,697 | 37,186 |
こづかい(使途不明) | 63 | 4,629 | 9,194 | 13,760 | 18,326 |
交際費 | 15,292 | 18,113 | 20,935 | 23,756 | 26,577 |
仕送り金 | 2,725 | 4,187 | 5,649 | 7,111 | 8,573 |
諸雑費 | 14,327 | 18,738 | 23,149 | 27,560 | 31,971 |
合計 | 198,743 | 272,477 | 351,212 | 414,946 | 478,681 |
お酒、車、仕送り金、住居費を引いた生活費
ここでは、費目に人それぞれの嗜好や生活状況を考えて、
①お酒
②車
③仕送り金
④住居費
を差し引いた各費目の表を示します。
お酒、車、仕送り、住居費は、人それぞれのところがあるので、下記の表に、自分の状況で加えてください。
住居費は、いま居住している家の家賃だったり、将来どの位の家賃の家に引っ越すのか考えて、自分自身の1カ月の生活費の合計を確認してください。
お酒、車関係費用、その他上表に含まれていない費目も同様です。
世帯人数 | 単身 (1人) |
DINKS (2人) |
3人家族 | 4人家族 | 5人家族 |
---|---|---|---|---|---|
合計 | 126,354 | 181,535 | 236,717 | 291,898 | 347,080 |
ちなみに私は、4人家族(妻、子×2)です。
我が家の、家賃を引いた毎月の実際の生活費は、27万2,900円です。
4人家族の生活費平均29万1.898円より約2万円節約できている計算です。
みなさんも、一度自分の生活費を、日本の平均的な生活費と比較してみてはいかがでしょうか。
そして、将来自分が何人家族になるのか、その時今の収入で生活できるのか検討してみてはいかかでしょうか?
何をするにも、標準値があると自分が使いすぎなのかわかるので、上記を参考に自分の家計の見直しと、人生設計に役立てて頂けると幸いです。
まとめ
人類が繁栄できたのは、将来を予想し、環境の変化に対応するすべを磨いてきたからに他なりません。
我々の祖先は、狩猟した、動物を干し肉にしたり、木の実を貯蔵したことにより、環境の変化に備えることを学び実行してきました。
これが、今の我々の繁栄につながっているわけです。
それでは、現代の資本主義経済に生きる我々がすべきことは何でしょうか?
それは、「お金を貯めること」
先の変動を予想し、干し肉や、木の実を貯蔵することと同じことです。
将来の、金銭的な変動を予想して、それに対応できるだけの資産を構築することが、会社に経済的、精神的に依存しないで幸せな人生を得るために必須な行動です。
ミタゾノの米国株投資では、資産を構築するために、高配当米国株に投資することをお勧めしています。
1度だけの大切な人生を幸せにすごすには、若い時から、金融リテラシーを身に着け、これから長い人生でいつどれくらいお金が必要になりのか予想し、
蓄財や、お金を生み出すシステムを構築することを考えていかなければなりません。
その第一歩として、将来自分の家族の人数増えた時の支出額を知っていることは非常に重要になるのです。月の支出額が、世帯人数によって、
1人:198,743
2人:272,477
3人:351,212
4人:414,946
5人:478,681
かかるということを大枠としてだけでも知っていれば、自分の年収がいくら以上必要になってくるかということザックリとわかります。
節約で、ある程度しのげる場合もありますが、限界があります。
ですから若い時から、無駄遣いをせず、正しいお金の使い方をして、蓄財していかなければなりません。
人生は一度きりです。
真に自分がやりたいことを実現する人生にしたいものです。
good luck
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