【MO】アルトリアグループは高配当銘柄で、連続増配9年の優良銘柄です。
2008年に米国国外事業を【PM】フィリップモリス・インターナショナルとして分離したので、売り上げは、米国内の売上です。
分社化の目的としては、健康訴訟裁判が理由だと言われています。
高額な裁判費用と敗訴となれば莫大な損害賠償が発生するため、米国事業と米国国外事業を分離することにより、訴訟リスクを避けるというのが目的のようです。
たばこブランドとしては、「マルボロ」や「ラーク」などの世界中の人が知っているブランドを所有しています。
因みに、「マルボロ」の北米たばこ市場のシェアは40%以上と、独占状態と言っても良いほどのシェアを占めています。
寡占的な企業は非常に強い力を持ちます。
- 【MO】アルトリアグループの株価と決算分析
- 【MO】アルトリアグループの株価基本情報
- 【MO】アルトリアグループの権利落ち日と配当支払日
- 【MO】アルトリアグループのチャート
- 【MO】アルトリアグループのEPSと一株配当
- 【MO】アルトリアグループの一株配当と増配率
- 【MO】アルトリアグループの一株配当と配当性向
- 【MO】アルトリアグループのBPSとEPS
- 【MO】アルトリアグループの売上と利益推移
- 【MO】アルトリアグループのキャッシュフロー
【MO】アルトリアグループの株価と決算分析
アルトリアグループの今日の株価は、56.69$と直近下落しています。
2017年まで綺麗な右肩上がりのチャートでしたので、配当利回り4.94%と高配当ですが、手を出しずらいと思う方もいるかと思います。
次に、第1四半期決算内容を分析していきます。
予想売上高46億2000万$に対して、結果は46億7000万$と予想を上回りました。
EPSは予想0.92$に対して、結果0.95$と予想を上回りました。
18年通期EPSは予想3.98ドルに対して、ガイダンス3.90~4.03ドルが提示されました。サプライズはありません。
「マルボロ」の出荷量は前年同期比ー4.2%、市場シェアは43.2%と前年同期43.7%から0.5ポイント低下しました。
アルトリアのすべてのたばこ出荷量は前年同期比ー4.2%、市場シェアは50.3%となりました。
前年同期の51.0%から0.7ポイント低下しました。
それでも、米国市場のたばこ販売の半分以上を独占していると考えれば安心できます。
良いニュースとしては、第1四半期に約800万株の自社株買いを実施。平均購買価額は64.33ドルで費用は5億1300万ドル(約565億円)でした。
決算内容は、良、悪、まちまちでしたが、自社株買いにも積極的ですし、「たばこ」がこの世から無くなることはありません。
安定したキャッシュを稼ぐことが出来る米国市場の半分を占めているたばこ独占企業ですので、安心して長期投資できる銘柄です。
【MO】アルトリアグループの株価基本情報
【MO】アルトリアグループの本社は、アメリカバージニア州にあります。
2018年6月21日の終値は、56.69$、52週高値からは26.97%下落した状況です。配当利回りは4.93% で税引後でも3.5%以上の利回りとなります。
連続増配年は9年です。リーマンショック後は連続増配しています。
【MO】アルトリアグループの権利落ち日と配当支払日
【MO】アルトリアグループの過去の 配当落ち日は、上表2列目になります。配当落ち月は、3月,6月,9月,12月で、配当支払い月は1月,4月,7月,10月の年4回です。
【MO】アルトリアグループのチャート
10年間の株価チャート(月足)
出展:SBI証券
5年間の株価チャート(週足)
2017年の中旬まで、株価チャートは美しく右肩上がりを続けていましたが、2017年7月に大きく株価を下げています。
これは、FDA(米国食品医薬品局)がニコチン含有量の引き下げ義務付けを検討すると発表したためです。
そして、2018年1月には、FDAは「加熱式たばこが従来の紙巻きたばこに比べ、たばこ関連の疾病リスクを低減できる十分な証拠は得られなかった」と指摘しています。
2018年年初から続く下落は、この発表が要因の一つだと思われます。
それから、2018年4月の【PM】フィリップモリスインターナショナルの決算で、「アイコス」の日本での売れ行きが伸び悩んでいることが判明。アルトリアグループ株も下落の方向となりました。
現在の株価は2015年度の株価まで巻き戻っている状態です。
【MO】アルトリアグループのEPSと一株配当
2016年にEPS(一株当たりの利益)が急騰していますが、アルトリアが保有するSABミラーの株式を【BUD】アンハイザー・ブッシュ・インベブに現金と株式交換を組み合わせて売却したためための急騰です。
総額は約13兆円の取引です。
【BUD】アンハイザー・ブッシュ・インベブは買収を重ねてビール世界シェア一位となった老舗です。
同業2位のSABミラーを買収したことで、シェアは30%越えまで上昇しています。
この買収で株式交換した【MO】アルトリアグループは、【BUD】アンハイザー・ブッシュ・インベブ株全体の9.5%を保有することになりました。
このおかげで、今年は約7億7000万ドル(約845億円)もの配当収入が見込めます。
これはアルトリアの純利益の約一割を占める額になります。財務状況を大きく改善した買収となりました。
【MO】アルトリアグループの一株配当と増配率
8%前後の増配率を維持しています。素晴らしいの一言です。
【MO】アルトリアグループの一株配当と配当性向
配当性向を見ると、2008年は100%を超えてしまっていますが、そのご全く影響を受けていないことが分かります。
たばこは世界的な不況の中でも、安定的に使用されるということですね。
2017年に配当性向が31.2%と大きく下がっているのは、アルトリアが保有するSABミラーの株式を売却したためためです。
【MO】アルトリアグループのBPSとEPS
BPS=1株あたり純資産(純資産を発行株数で割ったもの)
【MO】アルトリアグループの売上と利益推移
注目すべきは40%に迫ろうとしている営業利益率の高さです。
他業種含め、これだけ高い営業利益率を誇る企業はほとんどなく、本業が安定していることがわかります。
米国市場の販売は50%以上を占める寡占状態であることを物語っています。
2016年、アンハイザー・ブッシュ・インベブを9.5%保有したことにより今後も安定した配当収入が見込まれます。
【MO】アルトリアグループのキャッシュフロー
たばこ銘柄全体にも当てはまりますが、アルトリアグループの投資CFは、売り上げに対して、非常に少ないのが特徴です。そして、安定したフリーキャッシュフロー。
売上の8割越しは、現在も、紙巻きたばこで稼いでいますが。聞こえが悪くて申し訳ありませんが、たばこは、「タバコの葉を干して、紙でまいたもの」です。
他の産業と比較して、設備投資があまりかからないのです。
今後は、紙巻きたばこよりも利益率が高い、電子たばこが売り上げを伸ばしてくれば設備投資で、投資CFが大きくなることが予想されます。
直近では、株価は下落方向です。買い増しのチャンス到来です。
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