【VT】バンガード・トータル・ワールド・ストックETFは、VTIと並び、米国株投資家は、知らない人はいないと言っていいくらいの人気のETFです。
その理由は、VTを買えば世界全体の株式を投資対象とし、8,116銘柄に分散投資できること、それでいて、信託報酬が0.1%と割安であること、リーマンショック後からは、右肩上がり成長という実績から人気化しています。
全世界の株式に、簡単に、低コストで投資できることを可能にしてくれたETFが【VT】なのです。それでは、VTの詳細について見て行きましょう。
VT概要
VTは、FTSEグローバル・オールキャップ・インデックスのパフォーマンスへの連動を目指したETFです。経費率は0.1%と低く、年間配当利回りは1.74%で、年4回分割して支払われます。
VTが設定されたのは、2008年6月24日ですが、今では、VTの純資産総額は、121.27億米ドル、日本円で約1兆3,582億円相当(1$112円として計算)になります。
VTの主なデータ
VTは、全世界の大型、中型、小型株に投資されていているので、世界的な株価動向を表しているとも言えます。
投資先としては、 先進国や新興国市場を含む約47ヵ国の約8,116銘柄で構成されていて、全世界の投資可能な市場時価総額の98%以上をカバーしています。地球規模の、分散投資をしているのです。
VTのトータルリターン
VTはバンガード・トータル・ワールド・ストックETFと言います。
経費率は0.10%で、非常に低い信託報酬ですが、VTIの0.04%と比較すると少し割高です。ですが全世界の株式に投資していることを考えるとこれぐらいの経費は全く問題ないと思います。
信託報酬は、1年間にかかる費用です。0.1%の信託報酬は、100万円投資していいたとすると年間1,000円です。安いですね。
VTのトータルリターンです。設定来は6.21%です。10年間は6.34%ですが、2018年の年初来1月からのパフォーマンスは-0.12%と良くありません。2018年は低迷中です。
それでも、2008年のVT設定からのパフォーマンス6.21%は、優秀です。
世界経済成長率
VTは世界の株式に分散投資されているので、世界経済と相関関係にあるのは明らかです。
世界経済の上下がVTの株価に直接影響すると考えると、これまでの世界の経済成長率の推移が知りたくなります。見て行きましょう。
- 2001年~2002年の世界経済成長率は3%以下でした。成長はしているのですが、この水準だと、景気はあまりよくない状況です。
- 2003年~2007年は、中国やインドを始めとした新興国の成長率が高かったことで全世界の成長率も5%前後の高い成長率になりました。
- IMFの予想では、2018年以降も新興国の成長が牽引し全世界の実質GDP成長率は3%~4%の高成長が見込まれています。
2008年リーマンショック時は、多くの国で、GDPはマイナス成長をしましたが、その後回復しています。
未曾有の金融危機からも立ち直ることができる世界経済です。
「VT=世界経済」と考えると、基本的には世界経済の成長とともにVTも成長していくと私は考えています。
VTの5年チャート
2014~2015年までは横ばいで、2017年は右肩上がりに成長しています。しかしながら、2018年からは再び横ばい傾向です。
VHTの5年チャート(週足)
RSIを見ると、2018年年初に大きく下がっていることが分かります。そして今は、50~60付近を上下しています。
私は、ETF購入時にRSIを確認することが多いのですが、できれば、RSI30付近で購入したいと考えています。
VTの投資先国、上位10市場
VTの資産配分を見て行きます。世界の8,000以上のに分散されているとは言え、米国市場に53.4%投資されています。
株式市場の取引額は米国が世界一です。世界1位の大国の成長性と信頼度からの配分です。
VTの構成銘柄上位10銘柄と構成比率
VTの構成銘柄上位10銘柄です。アップル、マイクロソフト、アマゾンなどの大型銘柄で構成されています。
保有比率は異なりますがVTIの上位10銘柄の9位までが同じ銘柄で構成されています。
ETFの詳細検討すると、優良銘柄は何か?とういことが良く分かります。
VTの構成比率としては、金融、テクノロジー、資本財、消費財、消費者サービス、ヘルスケアで83.2%を占めます。
VTの構成銘柄上位10銘柄の配当利回り
VTの構成銘柄10銘柄の2018年9月20日の株価と税引き前利回り、連続増配年を示します。
ティッカー | 株価 | 税引き前 利回り |
連続 増配年 |
---|---|---|---|
AAPL | 218.37$ | 1.34% | 5年 |
MSFT | 111.70$ | 1.65% | 14年 |
AMZN | 1926.42$ | 0% | - |
GOOG | 1171.09$ | 0% | - |
FB | 163.06$ | 0% | - |
BRK-A | 3,332,000.00$ | 0% | - |
BRK-B | 220.95$ | 0% | - |
JPM | 117.62$ | 2.72% | 7年 |
XOM | 84.63$ | 3.88% | 35年 |
JNJ | 140.46$ | 2.56% | 55年 |
RDS-A | 66.82$ | 5.63% | - |
RDS-B | 68.83$ | 5.46% | - |
この上位10銘柄で、VTの構成銘柄の10%を占めます。VTの税引き前利回りは1.74%なので、上位10銘柄の税引き前配当利回りの方が高いです。
投資家にとって、ETFを買うか、個別を買うかいつも悩むところです。
原資が潤沢にあれば、分散投資されたVTでリスクを抑える選択をするでしょうが、原資が少ない時は、配当の高さにこだわりたくなります。
私の場合は、税引後配当収入4%以上を目標に投資しています。
VTまとめ
【VT】バンガード・トータル・ワールド・ストックETFは、全世界の投資可能な市場時価総額の98%以上をカバーして、地球規模の、分散投資をしている銘柄です。
投資銘柄数は8,116銘柄になります。
それでいて信託報酬は0.1%と割安です。
過去10年の価格を見ると、踊り場を形成しつつも、右肩上がりで成長を続けてきました。
2018年は横ばい傾向ですが、世界経済の成長とともにVTも成長していくでしょう。
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