【CL】コルゲート・パルモリーブの創業は、紹介している企業のなかでも古い1806年で創業200年を超える老舗です。日本は江戸時代の後期ですからその歴史を感じます。
世界で初めて練り歯磨きを販売した企業ですが、現在の配当利回りは2.55%、連続増配年55年、しかも自社株買いが盛んで、その勢力はいまだ衰えていません。
練り歯磨きを世界で初めて販売した効果はすさまじく、いまでも世界シェア1位となっています。売り上が多い国としては、インドで、国内シェア50%を超えています。因みにインドの人口は13.4億人です。
練り歯磨きが、ブルーオーシャンの市場に出て行けばそれは売れるに決まっていますね。
ただ、日本ではあまり【CL】コルゲート・パモリーブの製品を見かけません。同じ一般消費財セクタ銘柄としては【PG】プロクター・アンド・ギャンブルや、【UL】ユニリーバなどがありますが、日本ではこちらの企業の製品の方が有名だったりします。
それでは、世界的に有名で、日本ではそこまで...な企業【CL】を分析していきます。
- 【CL】 コルゲート・パルモリーブはどんな事業をしている会社か?
- 【CL】 コルゲート・パルモリーブの基本情報
- 【CL】 コルゲート・パルモリーブの権利落ち日と配当支払日
- 【CL】 コルゲート・パルモリーブのチャート
- 【CL】 コルゲート・パルモリーブの一株利益と一株配当
- 【CL】 コルゲート・パルモリーブの一株配当と増配率
- 【CL】 コルゲート・パルモリーブの1株配当と配当性向
- 【CL】 コルゲート・パルモリーブのEPSとBPS
- 【CL】 コルゲート・パルモリーブの売上と利益推移
- 【CL】 コルゲート・パルモリーブのキャッシュフロー
- 【CL】 コルゲート・パルモリーブ まとめ
【CL】 コルゲート・パルモリーブはどんな事業をしている会社か?
創業200年を超える歴史的企業の【CL】は、200ヵ国で事業を展開するグローバル企業です。米国内売上は全体の26%で、ラテンアメリカとアジアの2地域で半分弱を占めます。
人口が増えていく新興国でのビジネスが大きく、一般消費財系の企業では成長が期待できる戦略です。
地域別売上高比
(出典:コルゲート・パモリーブのHPより)
北アメリカ20%
ラテンアメリカ25%
ヨーロッパ16%
アジア太平洋18%
アフリカ/ユーラシア6%
Hill's Pet Nutrition15%
地域別の売上は、米国内の売上比率は20%ほどしかなく、80%は米国外です。特に新興国でのビジネスが盛んで売上高の約半分を占めています。
そして意外にも、ラテンアメリカでの売り上げが25%と最も多く、北アメリカと合わせたアメリカ大陸だけで45%を占めています。
セグメント別売上比
口腔ケア47%
パーソナルケア20%
ホームケア18%
ペット栄養15%
セグメント別売上比は上記のようになっていて、「口腔ケア」が47%と最も大きな稼ぎ頭になっています。インド人の半分がCLの練り歯磨きを使っていると考えただけでもすごすぎるシェアです。
CLの製品
練り歯磨きこの世界シェアNo1だけあって、世界中で歯磨き粉と歯ブラシを販売しています。ただし、日本進出は失敗していて、日本国内でコルゲートの製品を見る機会はほとんどありません。
ホームケアセグメントでは、食器用洗剤を販売していますが僕は全く見たことがありません。しかし日本以外の国では、シェアを持っているようで、ある意味日本がガラパゴス化している感じです。
ペット栄養では犬や猫用のペットフードを販売していて、売り上げは伸びてきています。
【CL】 コルゲート・パルモリーブの基本情報
ティッカー:CL
本社:アメリカ合衆国 ニューヨーク州
配当利回り:2.55%
1株配当:年間1.68ドル
配当性向:55.6%
連続増配年:55年
連続増配年55年です。配当利回りは、2.55%。配当性向についても、55.6%とまだ余裕があります。配当利回りが低いですがこれは増配と共に株価が上昇してきたからとも言えます。
【CL】 コルゲート・パルモリーブの権利落ち日と配当支払日
【CL】コルゲート・パルモリーブの過去の 配当落ち日は、上表2列目になります。配当落ち月は、1月,4月,7月,10月で、配当支払い月は2月,5月,8月,11月の年4回です(現地ベース)。
【CL】 コルゲート・パルモリーブのチャート
10年間の株価チャート(月足)
リーマンショック直後の株価は30$付近で、株価は倍以上になっています。2018年からは、株価は値下がり傾向で、60$前後で反発しています。2014年の株価に逆戻りの状態です。
5年間の株価チャート(週足)
5年チャートを見ると2018年の年初に株価が下がり始めていますが、この時期はアメリカが利上げを開始した時期です。一般消費財セクタ株は債券的な扱いを受けていて、利上げと共に株価は値下がり傾向です。
2018年は、RSIが30付近となり、売られすぎ水準となったことが2回あります。購入を検討しているならば、60$付近の抵抗線が購入検討額になりそうです。
【CL】 コルゲート・パルモリーブの一株利益と一株配当
2015年にEPSが大きく下がっていますが、これは一時的なものです。
【CL】 コルゲート・パルモリーブの一株配当と増配率
DPS(一株当たり配当)は毎年漸増しています。ここまで美しいと見ていて安心感が有ります。増配率は下がってきていますが、2018年は4%台まで回復しました。
【CL】 コルゲート・パルモリーブの1株配当と配当性向
2015年はEPSの落ち込みで、配当性向が100%となってしまいましたが、これは例外ですが、配当性向は緩やかな上昇をしています。まだ余裕はありますが、このまま上昇していくと10年後には配当性向が100%に近くなると予想されます。
今後は増配率の低迷が予想されますね。
【CL】 コルゲート・パルモリーブのEPSとBPS
2012年からEPS(一株利益)は下落傾向でしたが、2016年からは大きく上昇しています。全体的には横ばい傾向に見えます。
BPS(一株資本)は、2016年からマイナスになっています。明らかに2012年あたりから経営方針が変わってきと思われます。
【CL】 コルゲート・パルモリーブの売上と利益推移
一見して安定経営ということが言えますが、逆を言えば大きな業績の伸びも無いといえる売り上げと利益推移です。2015年から売上高が下がってきていますが、営業利益率は安定しています。
【CL】 コルゲート・パルモリーブのキャッシュフロー
営業キャッシュフロー、投資キャッシュフロー、フリーキャッシュフローすべて横ばい傾向です。【CL】の安定経営ぶりがキャッシュフローに表れています。ディフェンシブ銘柄の中のディフェンシブ銘柄です。
【CL】 コルゲート・パルモリーブ まとめ
【CL】のコルゲート・パルモリーブは、連続増配55年で、自社株買いも盛んな一般消費財セクターのディフェンシブ銘柄です。株主還元に積極的です。
キャッシュフローに関しては、優等生で毎年潤沢な資金を創出出来ています。人間が生きていくために必要な製品を販売している企業ですから、この辺は強い経営が可能なようです。
2012年からBPSが下がり始めて、2015年からは純資産がマイナスになっています。理由は株主還元によるところが主なのですが、フリーキャッシュフローが安定して創出できているので全く問題にはなりません。
僕は、CLは経営的に安定していて、人口増加とともに売り上げが増える製品を持っているので長期投資先としては有望視しています。ですが、配当利回りが2.5%程度なのが、原資の少ない投資家としてはらいところです。
Good Luck!!
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