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税引前配当利回り4.77%の【ABBV】アッヴィの株価チャートと配当月を確認しつつ、長期投資対象としてよいか検討した

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【ABBV】アッヴィの銘柄分析をする前に言いたいこととして、「アッヴィ」とキーボードで入力するのが難しすぎます。小さい「ツ」は、x+t+u、「ウに点々」と小さい「イ」は、v+iで出てきます。カタカナ変換はF7を適宜押して頂ければOKです。

 

すみません。銘柄分析から話がそれてしまいましたが、今日は、私にキーボード入力のスキルをプラスしてくれた、【ABBV】アッヴィが、私の資産をプラスにしてくれる銘柄であるのか分析していきたいと思います。

 

ABBVは、2013年に【ABT】アボットから分社した会社です。アボット時代から数えると連続増配を45年間続けていて、配当貴族銘柄であるのと同時に、シーゲル銘柄でもあります。

 

私たちのような米国株長期投資家が一度は購入検討しておきたい銘柄であることを感じられます。

 

ABBVは、製薬会社ですからヘルスケアセクターに分類されます。ABBVの最大特徴としては、世界一の販売額を誇こる、抗リュウマチ薬のヒミュラを保有していることです。

 

ヒミュラがABBVの売上高の59%を占めているのは、一見喜ばしいことですが、特許切れが迫ってきていて、これが、【ABBV】アッヴィへの投資判断を難しくしている一因です。

 

配当貴族であり、シーゲル銘柄で比較的高配当なABBVは、これまでは優良銘柄であったことは紛れもない事実です。では投資判断の際に、これからどういったことに注意していくべきなのかを順番に考えていきたいと思います。 

【ABBV】のトータルリターン

各期間のトータルリターンと過去の年ごとの年間リターンを示します。

(2020年2月10日モーニングスター調べ)

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このトータルリターンに見方ですが、例えば【3-Year】19.47%のトータリターンとなっていますが、これは現在から過去3年間の平均のトータルリターンになります。過去3年は、1年で平均19.47%成長したと考えてください。

単純計算で100万円を3年前に投資していたとすると。

100万円×19.47×19.47×19.47%=170.52万円

になっているということです。税金分や、手数料は差し引いていませんのでご注意ください。 

【用語の意味】

YTD:year-to-date(当会計年度の初めから今日まで)
Since Inception:創立以来(設定以来)

創立以来とはABBVが設定されてからという意味です。

税引前配当利回り4.77%の【ABBV】の長期保有効果の確認

ABBVが連続増配45年の銘柄であることに着目すると、税引前配当利回り4.77%(配当性向45.5%)のABBVに投資すれば、今後いくらぐらい儲かるか「取らぬ狸の皮算用」をしてみたくなります。

 

保有中の株価の変動はもちろんありますが、連続増配銘柄は、減配の可能性が比較的低いと考えられるので、購入後は、配当動向をモニターしていけばいいだけの簡単作業というのが魅力的です。

 

今の株価89.96$で、100万円分購入したとして、複利運用でどれくらい儲かるのかを見て行きたいと思います。

 

ABBVには、米国の源泉徴収税10%と、日本の税金の20.315%ががかかります(買い付け時証券会社の手数料については計算を簡単にするため未考慮)。

 

税引前配当利回りの4.77%に対して、税引後配当利回りは、

 

4.77%×0.9×0.79685=3.42%

 

よって、税引後配当、つまり100万円とうししたときの年間手取り配当は次のように計算されます。

 

100万円×3.42%=3万4,200円(税引き後年間配当)

 

因みに、米国の源泉徴収税の10%は、外国税控除を受けるために、年末調整をすれば戻ってきます。

複利運用の効果を確認

本来、長期投資は複利効果の享受を目的としているので、その効果を見て行きましょう。 

ここでは、20歳で100万円分保有して、80年後の100歳まで保有し続けた場合として検討しました。皆さんが自分の年齢に置き換えて考える場合は、左端の年数をみれば、例えば5年後、20年後の資産予想が分かります。 

検討の、前提条件としては、株価は一定としています。株価が一定とは、配当金を再投資する際に買い付ける株価が同じ、キャピタルゲインの損得無しとした場合で検討していきます。 

ここでは、上で計算したABBVの税引後配当利回りから、3.4%として検討します

 

年末調整で戻ってくる米国源泉徴収税の10%は考慮していません、過小評価で検討するので、年末調整額もプラスで再投資すれば計算上は投資成績は上振れします。

 

検討の結果、投資資産の推移を見ると100万円の元本が、

10年後 139.7万円
20年後 195.2万円
30年後 272.7万円
40年後 380.9万円
50年後 532.1万円
60年後 743.4万円
70年後 1,038.6万円
80年後 1,500.3万円

になります。

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実際の運用では、株価の変動や、配当の増減があるでしょうが、ABBVが今後も配当貴族を継続し、5年後配当王になり、配当王を継する企業であれば、検討結果に近い推移を見せてくれるかもしれません。

 

長期投資家としては、投資した企業が潰れることなく、配当を出し続けることができるのかを、最も注目していることだということが、この検討から分かっていただけるかと思います。

 

しかし!皮算用は楽しい...

【ABBV】の1株配当と増配率

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ABBVは、連続増配銘柄なので配当が年々漸増していきますが、配当利回りを見ると直近では10%台であり、非常に増配に積極的です。事業が上手くいっているからできることですが、この増配率は非常に魅力的です。

 

因みに、アッヴィのプレスリリースにあるように、2018年5月の配当金は2013年と比較して140%も増えています。5年間で配当金が2.4倍にもなっているのです。このような銘柄は稀です。

【ABBV】アッヴィの権利落ち日 

ABBVアッヴィの過去の配当落ち日(ex-Dividend date)と、現地ベースの配当支払日は次のようになります。日本の証券口座への入金は、だいたい3営業日後ぐらいになるのが普通です。

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ABBVの場合1月、4月、7月、12月ごろが配当落ち日になります。

毎年、微妙に配当落ち日は変わるので、私の場合は、配当落ち月をチェックしておいて、Dividend.comというサイトで、詳細な配当落ち日を確認して購入検討しています。

 

配当再投資では、資金効率が重要ですので、株を購入してから配当を貰うまでの期間をできるだけ短くしたいものです。

 

現地ベースの配当支払日は、表の右端になります。

【ABBV】アッヴィの基本情報

ティッカー:ABBV
本社:アメリカ合衆国・イリノイ州
配当利回り:4.77%(調査日ベース)
1株配当:年間4.28ドル。
配当性向:54.5%
現地源泉徴収税:10%
S&P格付:A-
連続増配年:45年

【ABBV】アッヴィの5年、10年チャート

10年間の株価チャート(月足)

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ABBVは2013年にABTアボットから分社した企業なので、チャートは2013年からになります。2018年まで株価は右肩上がりを続けていましたが、2018年に入って株価は右肩下がりになり、80$ほどまで下落しています。

 5年間の株価チャート(週足)

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5年チャートを見る限り、購入検討するバンドとしては、60$~80$付近を狙いたいところです。RSIが30を割るところを注視していきたいですね。

【ABBV】アッヴィの売上と利益

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【ABBV】アッヴィの売り上げは、きれいな右肩上がりに増加しています。売り上げ規模からも、商売が上手くいっている優良企業であることが一目でわかるグラフとなっています。

 

単位がMilで分かり難いかと思いますが、Milは100万ドル(約1億2千万円)をしめします。ですから2017年のアッヴィの売り上げ規模は3兆円規模ということになります。この規模で右肩上がりの売り上げ高を示すのは素晴らしいの一言。

 

注目は営業利益率です。30%台で推移していて、儲けやすいビジネスモデルの会社であることがわかります。

 

2014年に営業利益率が落ちこんでいるのは、アイルランドの同業シャイアーの買収案を撤回したのにともない、アッヴィは違約金16億4000万ドルを支払ったことなどの影響と考えられます。一時的なものです。

【ABBV】アッヴィのキャッシュフロー

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潤沢なフリーキャッシュフローが安定して創出されていて、しかも漸増傾向です。経営が上手くいっていることがキャッシュフローを見てもわかります。

 

この時点で、ミタゾノとしては、欲しくなってきました。 多分今後購入すると思います。

【ABBV】アッヴィへの投資のメリットデメリット

【ABBV】アッヴィへの投資のメリット、デメリットを私なりの考えで一覧にまとめました。メリットは、現在の安定した経営、デメリットは、稼ぎ頭のヒミュラの特許切れの影響というところが大きなところです。

メリット
①業績が安定しているヘルスケアセクター株
②分社前からだと連続増配45年企業
③右肩上がりの業績
④増配割合が大きい
⑤健全な財務状態とフリーキャッシュの創出力

デメリット
①ヒミュラの2023年の特許切れ

ヒミュラの特許切れが近づいているのですが、実は米国では、2016年に特許が切れています。

 

それでも、ヒミュラの売り上げが増加傾向ですし、業績も上がっています。ですから、直近は特許切れの影響は少ないと見るべきです。

 

2023年の特許切れ後、ジェネリック薬品が乱出してくると、徐々にその影響を受けていくとも考えられます。ですが、業績が一気に傾くということは考えにくいですし、今の財務状況から見ると体力も相当あります。

 

米国での特許切れ後も、売り上げが伸びていますし、ヒミュラに代わる稼ぎ頭の新薬の開発も進めています。

 

2018年初頭に株価が下がった一つの理由としては、新薬の承認が下りなかったことによりますが、その後も開発は続いています。この新薬の承認が待たれるところです。 

【ABBV】アッヴィまとめ

【ABBV】アッヴィを、長期投資対象としてよいかを見た場合、私としては「買い」だと思います。注目は、30%の利益率と株主還元姿勢です。いずれABBVは、私のポートフォリオの一員になっていることだと思います。

 

アッヴィは2013年に【ABT】アボット・ラボラトリーズから分社化した世界的なバイオ医薬品会社で新しい企業ですが、世界No.1の売上高を誇る、抗リウマチ薬のヒュミラを持っており、この1医薬品でアッヴィの売上高の59%を占めます。

 

今後も、新薬の開発、M&Aなどで、業績が上がっていくことが期待できると考えていますし、ヒミュラの特許切れによる影響を注視していけば良いだけという見方もできます。

 

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