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SARS当時の値動きを分析「新型コロナウイルス」の米国株式市場への影響は限定的か?

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中華人民共和国湖北省武漢市を中心に2019年12月以降発生している新型コロナウイルス関連肺炎(2019-nCoV)について2020年1月24日に中国政府が、新型コロナウイルスの発生のの感染拡大を食い止めるべく、武漢市の実質的な「封鎖」に踏みきりました。

このような大胆な対策に踏み切る中、25日には春節を迎え、中国ではのべ30億人が帰省などで移動します。

また日本、米国でも感染者の確認が報道され、世界的アウトブレイクとなるのか、それとも封じ込みに成功できるかギリギリの攻防戦となっているのが2020年1月25日現在の状況です。

米国市場では、コロナウイルスの拡大懸念、春節による人の移動による感染拡大リスクから、1月24日 のS&P500は値下がりした。

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この記事の目的は、

2019年11月頃に発生した新型コロナウイルスの株式市場への影響を考えるもので、18年前の2002年11月頃に発生したサーズSARS(重症急性呼吸器症候群)が発生した当時の株式市場への影響をまとめたものです。

SARSは、

2002年11月1日頃から流行し、2003年7月31日ごろ流行が収束しました。

WHOが発表した2002年11月1日から2003年7月31日までの期間における全世界での

感染者数(可能性例):8,098名
死亡者数:774名

です。

 

今回新たに発生した新型コロナウイルスは報道によると

【中国本土国内の状況】

昨年(令和元年)12月以降、新型コロナウイルス関連肺炎の発生が報告され、日本国内でも1月15日に見つかった。

■2020年1月25日(土)現在

感染者数(可能性例):1,287名
死亡者数:41名

■2020年1月26日(日)現在

感染者数(可能性例):1,975
死亡者数:56名

※2002年に流行したSARSと異なり、潜伏期間中も他者に感染すると中国当局が発表
(空港などで行われている体温を測っての選別は効果が小さくなります。)

■2020年1月27日(月)

感染者数(可能性例):2,744
死亡者数:81名
世界全体では感染者数:3,000名を超えようとしている

■2020年1月28日(火)

感染者数(可能性例):4,500名越え
死亡者数:106名

ANAのチャーター機2台で武漢在住の日本人を帰国させる予定でしたが、28日AM8:00ごろキャンセルになったと報道。その後延期との報道あり。29日以降で調整

■2020年1月29日(水)

感染者数(可能性例):5,974
死亡者数:125名(湖北省)、中国全土で132名

日本人206人がANAチャーター機で帰国。2人が37℃以上の発熱、発熱理由は調査中。一人当たりの航空運賃の負担は8万円って...と議論が沸き起こる。

その後の報道で5人が入院、190人がホテルで経過観察。本当にお疲れ様です。

■2020年1月30日(木)

感染者数(可能性例):7,711
死亡者数:125名(湖北省)、中国全土で170名

ANAチャーター機2便により第2陣が帰国210名。

■2020年1月31日(金)

感染者数(可能性例):9,692
死亡者数:中国全土で213名

症状の重い人は1,527人に上っているということです。

ANAチャーター機3便により第3陣が帰国149名。WHOより「緊急事態宣言」発表。日本国内でマスクが売り切れとの報道。僕の近くの店でも売り切れ。少しパニック状態になってきた模様。

■2020年2月3日(月)

感染者数(可能性例):17,205
死亡者数:中国全土で361名

■2020年2月4日(火)

感染者数(可能性例):2万人越え
死亡者数:中国全土で425名

■2020年2月5日(水)

感染者数(可能性例):2万人越え
死亡者数:中国全土で490名

■2020年2月6日(木)

感染者数(可能性例):28,018名
死亡者数:中国全土で563名

■2020年2月10日(月)

感染者数(可能性例):4万人越え
死亡者数:中国全土で908名

■2020年2月11日(火)

感染者数(可能性例):4万人越え
死亡者数:中国全土で1,011名

■2020年2月12日(水)

感染者数(可能性例):4万2,000人越え
死亡者数:中国全土で1,110名

新型コロナウイルスの正式名称が『COVID-19』となったことを発表

となっています。

現在は、SARS流行時に恐れられた、多数に感染を広げてしまうスーパースプレッダーは確認されていませんが、その存在が懸念されている状況です。

ココからの記事では、不適切な表現で申し訳ございませんが、記事を読みやすくするために

2003年11月頃に確認されたコロナウイルスをSARS1
2019年11月頃に確認されたコロナウイルスを新SARS2

として記事を書いていきます。単純に記事を読みやすくするための配慮です。意味はありません。

発生場所は中国 湖北省 武漢市

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新型コロナウイルス(新SARS2)の発生場所は中国湖北省の武漢市で、私も出張で訪問した経験があります。古代からの中国の主要交通路で、現在は新幹線が交わる中国内陸部の主要都市です。

武漢市の人口は1,108万人で東京の930万人よりも多いです。この1,000万人都市を事実上閉鎖したわけですから今回の中国政府の決断は一定の評価はあっていいと思います。

「東京を閉鎖」と考えるとその規模感が理解できます。

ただし、その効果については専門家の間でも議論されているようです。

 

私の私見ですが、

コロナウイルスの潜伏期間が2〜10日間(平均5〜6日)ほどあるとのことで、拡散は防ぐのは非常に難しいと言わざる負えないのではいでしょうか。今後の各国政府、疾病対策機関の適切な対応を期待するばかりです。

旧SARS1流行時のS&P500の値動き

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(出典:Infesting.com)

先ずは横軸スケールが1995年から2019年のS&P500のチャートで、広い視点からサーズ流行期の株価の動きを見ていきます。ピンク色のバーがサーズ流行期の値動きです。

結論からいうと、旧SARS1が流行した時の金融市場への影響は限定的だということです。

僕はこのチャートを確認したとき、少し不謹慎ではありますが、保有株への影響は殆ど無いと判断しました。

長期投資家の方はひとまず一安心かと思います(新SARS2の流行度にもよるので引き続き注意は必要です)。

次に、旧SARS1流行時期の期間を拡大したチャートを示します。

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旧SARS1は、2002年11月16日に確認され、2003年7月5日に、台湾での最後の症例を最後に終息宣言がWHOが発表されています。

流行期間は約8カ月ということは頭に入れておきたいところです。そして、インフルエンザのように毎年流行するわけではなく、今回の流行は旧SARS1の流行から18年経っています。

 

【旧SARS1流行期のチャートについて】

前置きとして、経済活動は複雑に絡み合っているので、ピンクバーで示しているサーズ流行期のS&P500のチャートは、

ただの「旧SARS1流行期のS&P500」の値動きの結果と言うだけで、旧SARS1の影響だけでこのような値動きになったとは考えてはいけないということです。

当時のニュースは、旧SARS1の感染拡大の報道が連日されていたという事実はありますが、他の経済影響含みのチャートです。そういった視点で見ていきます。

さらに拡大したS&P500チャート^^

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繰り返しになりますが、旧SARS1が流行したのは、2002年11月1日から2003年7月31日頃までです。

その期間をピンクバーで囲んでいます。

①旧SARS1が報道された11月1日からS&P500の株価は、935$付近から2月3日の約3カ月で820$まで値下がりしています。約14%値下がりしたことになります。
大きな値下がりが起きたということです。

②2月3日の安値から上昇に転じています。旧SARS1終息宣言の約6カ月前には株価は上昇に転じたことになります。終息宣言が出された頃となる7月31日の株価は1,000ドルほどになっています。

ドル円為替の推移

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旧SARS1流行時のドル円為替推移です。旧SARS1流行中米ドル円は、上下しながら126円から114円程まで値下がりしました。

2020年1月28日12時現在の為替は

1$ = 109.00円

円で推移しています。円高傾向です。

2020年2月12日現在のS&P500のチャート

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過去のSARS1の時のと同様に、感染拡大が収束していないのにもかかわらず、反発しています。この間、アメリカの雇用者統計などの、経済指標が良好であることが判明したことをきっかけに反発しました。

まとめ

現在流行中の新型コロナウイルスの流行が世界に大きく拡散されるのか注目されています。

この記事は、2020年1月25日(土)に書いていますが、中国は春節の長期連休に本日から入っています。この間延べ30億人が移動すると言われていて新SARS2の拡散が心配さいれています。

 

ですが、過去発生した旧SARS1も実は春節を通過しています。

この事実を考えると今回も「大丈夫ではないか?」と考えてしまいます。ウイルスは変異が早く、同じものと考えることは危ないですが、旧SARS1も春節を通過している事実は確認できるわけです。

 

株価の値動きの注目点としては、旧SARS1が終息する5カ月も前に上昇に反転している点です。投資家としてここは注目すべき事実です。

そもそも、インフルエンザでも知られているように流行期は冬です。夏になれば新SARS2も感染力は弱くなると考えられます。

ですから

今回の米国株の下落は、一時的な押し目!

と判断できる。

旧SARS1の時は流行が収まる前の2月初から下落から上昇に反転しています。

 

ここまで今回の新SARS2の影響を、旧SARS1が流行した当時のS&P500のチャートを元に見てきました。

 

新型コロナウイルスがこれ以上拡散しないで、何とか封じ込めに成功してくれることを願います。中国国内の方々や、出張中の方は細心の注意をお願いします。

 

私見ですが、

今回の新型コロナウイルスの流行の影響は、金融市場には限定的ではないか?と思っています。

すでに世界的に感染者が各国で少数出ていますが、大きな感染拡大が中国国内だけで抑えることができるかが分かれ道です。

 

twitter界隈では、「日本でも流行する!」など拡散されていますが、恐怖をあおる情報には踊らされずに事実を確認していく姿勢って投資家には大切だと思います。

いろいろな情報があふれる中、正しい情報の取捨選択は難しいですが、しかるべき機関の発表をしっかりと吟味していくことが重要になると思います。

因みに僕は、報道で追っているのは感染者数だけです。数値的な根拠が感染者の拡大を表すと思います。憶測を信じるのは厳禁です(中国政府の発表が本当のことを言っているとは思っていませんが)。

 

最後まで読んで頂きありがとうございました。

 

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